出会い系アプリの規制が法律によって定められたら運営を停止・削除するアプリが続出するか?

それほど知られている事実ではありませんが「出会い系サイト」と呼ばれるインターネットサイトは日本の法律によって規制されています。

その法律は

「出会い系サイト規制法」

と省略して呼ばれますが、正式名称は

「インターネット異性紹介事業を利用して児童を誘引する行為の規制等に関する法律」

という名前です。

出会い系サイト規制法が成立する経緯となったのがi-modeで見られる「ガラケー」対応の掲示板サイトなどをきっかけとして起きていた援助交際やブルセラなどでのトラブルです。

特に18歳未満の未成年児童が被害者になることが多く、馴染みがない大人側にとってもネット空間が謎めいており、新しい危険地帯として社会的に問題になったのがきっかけです。

そもそも携帯でインターネットを使う「i-mode(アイモード)」がdocomoではじまったのが1999年です。

スタービーチなどのサイトがすぐに超人気サイトとなり、携帯を使って出会う人が急増しましたが、出会い系サイト規制法が成立するまではけっこうな時間がかかりました。

  1. 平成15年(2003年)9月施行開始

  2. 平成20年(2008年)6月に改正、同年12月に施行

i-mode開始から施行開始まで4年かかっています。

細かい改正は省力していますが、インターネットの普及やサイトの仕組みの変化などによって適宜改正されています。

法律が施行されていなかったからといって、その間ずっと無法地帯だったという訳ではなく、社会的に「悪」とされる公序良俗に反する行為をした人(多くは大人の男性)はたくさん逮捕されました。

出会い系サイト規制法では「インターネット異性紹介事業」を行う事業者について定義しています。

下記の4つの要件をすべて満たす事業が出会い系サイト規制法で「インターネット異性紹介事業」と定義されます。

  • 異性との交際を希望する人に対して、異性との交際に関する情報をネットの掲示板に掲載可能なサービスを提供すること

  • 交際を希望する人の情報を不特定多数が閲覧できること

  • 掲示板に投稿している異性との交際を希望する人と連絡先などを交換できる機能を持つこと

  • 有料・無料に関係なく継続的にサービスを提供していること

ひとつひとつ見ていくと普通のSNSサイトも該当しそうな要件です。

ちなみにSNSサイトについては「EMA(モバイルコンテンツ審査・運用監視機構)」という組織があり、ここに所属している会社が運営するサイトは監視体制などがかなりしっかりしています。

出会い系サイト規制法は会員に対しても禁止している項目がある

「出会い系サイト規制法」は何も運営会社だけに適用される法律ではありません。

さきほどの定義を満たす「出会い系サイト」を利用する会員に対しては下記の行為を禁止しています。

  • 18歳未満の児童による利用

  • 18歳未満の児童との交際を目的として書き込み等を行うこと

  • 18歳未満の児童との性交等の肉体関係を結ぶことを目的として書き込み等を行うこと

未成年絡みはことごとく禁止されているのがわかります。

もし特定の出会い系サイトに登録しているなら、試しに「JK」や「女子高生」などの文字を含む投稿をしてみてください。

もちろん投稿内容によりますが、文脈的に未成年を誘うような書き込みをしたらすぐに投稿が削除されたり、アカウントが停止されたりします。

厳しいサイトだと一回で強制退会になるでしょう。

ただ、しっかりと削除等の対応するのはちゃんと運営されているサイトのみです。

未成年絡みの投稿がそのまま放置されているサイトは法律に違反しているということになりますが、放置しているサイトがほとんどです。

このようなサイトは危険なのは言うまでもありません。

出会い系サイト規制法ではさらに下記の行為が禁止されています。

  • 18歳未満の女性を売春等に勧誘・誘惑すること

  • 自分以外の誰かに対して18歳未満の女性との売春を促すこと

  • 18歳未満の女性に対して、お金等を払って男性の相手をさせること

  • 自分以外の誰かに対してお金等を渡し、18歳未満の女性との売春を促すこと

  • 児童を異性交際の相手方となるように誘引し、又は人を児童との異性交際の相手方となるように誘引すること

直接的ではなく、間接的に未成年を売春等に誘うことも禁止されています。

闇風俗のスカウトマンがSNS等のツールを使っていわゆる「援デリ」等の違法JKビジネスで働く未成年女性を募集したりすることもちゃんとしたサイトではできない、ということになります。

出会い系サイトは許認可制の事業

「出会い系サイト規制法」では出会い系サイトは公的な認可を受けないと運営できない事業としています。

出会い系サイト事業を運営する会社や人に対しては

  • 事業をすることを警察に届け出ること

  • 18歳未満の児童に利用させないこと、年齢確認を行うこと

  • 18歳未満の児童に関連する出会いを求める書き込みがあったら削除すること

を義務付けています。

警察から許可を受けて運営しているサイトはサイトの下部分などに

「インターネット異性紹介事業 届出・認定済み 認定番号⚪︎⚪︎⚪︎⚪︎⚪︎⚪︎⚪︎」

という認定番号が書かれています。

つまり、認定番号が書かれていない出会い系サイトはすべて違法サイトです。

なので使うべきではありません。

違法サイトは会員に対して年齢の確認をしていませんし、女性会員は大抵サクラです。

出会い系としての機能(メッセージ交換等)があるのに、App Storeやgoogleplayのアプリ自己紹介文に

「当アプリは出会い系ではありません」

などと書いているアプリが多数ありますが、出会い系かどうかは運営が決める事でなく機能で決まります。

なので自己申告は信用しない方が安全です。

まっとうな企業は出会い系の要素があるサービスを運営するときはしっかりと認可を受けて営業します。

すこし紛らわしいのが

・総務省電気通信事業者届出番号⚪︎⚪︎⚪︎⚪︎⚪︎⚪︎⚪︎

このような電気通信事業者の届出の番号ですが、これは出会い系サイト運営とは直接的には関係ありません。

電気通信事業者の届出があるからちゃんとしたサイトという風に勘違いすると大変な目に遭います。

出会いアプリに対しての法律問題

じゃあ出会い系アプリに対してはどうなっているんだ?ということになりますが、解釈の問題もあり今のところ規制はされていません。

※後述しますが、2017年2月に無届けで出会い系アプリを運営した会社の社長達が逮捕されました

iPhoneアプリやAndroidアプリを審査するAppleとgoogleがそれぞれの基準をもってアプリを審査していますが毎日膨大な数のアプリを審査するので完璧な審査を求めるのは難しいです。

レーティングで「17+(17歳以上しか使えない)」という表示が出会い系アプリについていますが、実質的な効果は期待できません。

未成年が親の名義で携帯を借りてたり、フィルタリングなどを何も設定していなければすべての機能が使えます。

さらにアプリダウンロードや起動時に「18歳未満は使えません」等の表記がプッシュアップで表示されるものもありますが、ただの注意書きです。

結局のところほとんど意味はありません。

出会い系アプリの法的な解釈については下記サイトを参考にしてください。

インターネットが絡むアプリの変化に立法がついていけていないことがわかります。

出会い系アプリ規制法ができたらどうなるか

アプリが規制されていないからといって、良くない出来事が起きている市場をそのまま放置したら政府などの行政機関に意味はありません。

出会い系アプリ絡みの犯罪が多数起きているので少なくとも警察は実態を把握しているはずです。

まず現実的な規制としては

  • すべての利用者に対して免許証や保険証等での年齢確認の実施

  • 交流アプリ・SNSアプリは18歳未満の利用を完全に禁止

  • 18歳以上の利用者から18歳未満の利用者に対してのメール等のコミュニケーションを完全に禁止

  • 運営会社にすべての投稿内容を監視・検閲して、公序良俗に反する内容は削除することを要請する

あたりは実施される可能性があります。

SNS的なアプリは気軽に登録する人が多いのですべての会員の年齢認証をするのは大変です。

ひとりひとりの会員に対して年齢確認のための書類を提出させて、さらに提出してきた書類を自分達がチェックしないといけませんのでものすごい人手が必要です。

偽造書類などを使って登録しようとする人もいるので不正登録防止のために機械的でなく人の目でないと確認は難しいでしょう。

年齢認証をしないとしても、未成年売春絡みの投稿やメッセージをすべて検閲・削除するだけでも大変です。

日々増えていく若者言葉等の隠語や微妙な言い回し等は人でないと判別ができないのでこちらも人手が必要です。

結局、安全なコミュニティアプリやサイトを運営するというのは人件費等で莫大なお金のかかる事業ということです。

法律で規制されたらほとんどのアプリは無くなる?

日本の「ソーシャルネットワーク」カテゴリにある人気SNSアプリのほとんどで年齢確認が実施されていません。

年齢確認を実施しているのは出会い系サイトとして事業の認可を得ているサイトのアプリ版を除くとごくわずかです。

よって、もしなんらかの規制が入ればほとんどのアプリが運営できなくなり、閉鎖する可能性があります。

どのアプリもボランディアでなく商売としてアプリを運営していますので、入ってくるお金より出ていくお金の方が増えれば必然的に運営を辞めていきます。

月商1,000万円以上のSNSアプリはたくさんあると思いますが、月商が1,000万円程度だと広告宣伝費と、ちゃんとした運営監視体制を整えるための人件費で大赤字になります。

そもそもがSNSサイトと同じで出会いアプリも世の中にたくさん必要があるものではありません。

あくまでも「ネット上での出会い」という仕組みを提供する場所なので、おそらく数十個あれば充分に利用者のニーズを満たせるでしょう。

アプリではなく出会い系サイトの市場を見てみると、結局は10個未満のサイトがここ数年以上常に大手として君臨しています。

出会に特化しない普通のSNSサイトもたいてい3つか4つのサイトで寡占状態になってしまいます。

ということは世の中に存在する出会いアプリのほとんどは必要が無いアプリということになりそうです。

じゃあなんで世の中に必要が無いのに存続できているのか、ということになりますが、これはサクラの女性会員がいるからです。サクラについては後述します。

もし実際に

  • 全会員に対しての18歳以上の年齢確認の実施

  • 投稿内容の監視と削除

  • 365日24時間体制のカスタマーサポート

などが義務付けられたらほとんどのアプリは無くなるでしょう。

有料課金の収益で運営しているアプリも、広告収入で運営しているアプリも同じように苦しい状況に追い込まれます。

もし規制されるようになったら逆に売り上げが増えそうなのがちゃんと出会い系サイト規制法が定めた基準によって運営されているアプリです。

大手出会い系サイトのアプリ版などがこれに該当します。

大手出会い系サイトのアプリ版はサクラがおらず、18歳以上しか使えません。

もし競合アプリが無くなったら自然と出会いを求める会員が流れ込んでくるのでアプリが活発になり、収益も増えるでしょう。

サクラを使う会社は今も昔も詐欺罪で逮捕されています

出会い系サイト=サクラがいるという印象はほぼ正しいです。

というのは世の中にある99%以上の出会い系サイトにサクラがいるからです。

※数の確認は不可能ですが出会い系サイトの体裁をとって存在しているサイト・ドメインは数万〜数十万個以上あるはずです

サクラのいるサイトのほとんどがインターネット異性紹介事業の認可を得ていないサイトです。

もちろんサクラの女性会員のデータを利用して儲けることは違法です。

詐欺罪が適用されるので、定期的に出会い系サイト運営会社の社長やサクラ役の社員・アルバイトが逮捕されています。

詐欺罪が適用されるのはサイトもアプリも同じですし、現実世界でもサクラを使うことは法律で禁止されています。

ただし被害者からの被害届などがたくさん集まらないと警察も動きませんので、違法サイト・アプリが存在し続けています。

サクラについては歴史がある仕事?なので、どんな業種でも宣伝のためにサクラを使います。

ネットに限らずラーメン屋でもパチンコ屋でもサクラがいますので、先に行列に並んでいるカップル風の男女はサクラだった、なんてこともあり得ます。

無届け出会い系アプリ「年上フレンズ」の運営会社社長が逮捕

無許可で運営されていたAndroid向け出会い系アプリ「年上フレンズ」を運営していた会社の社長が2017年2月に逮捕されました。

容疑は出会い系サイト規正法違反です。

無許可で運営される出会い系アプリ運営者を逮捕するのは初だそうです。

年上フレンズ以外にも膨大な数の出会い系アプリがあり、ほとんどが出会い系サイトの届け出を提出していません。

この逮捕によって他の悪質アプリの運営会社にも影響を与えるでしょう。

サクラばかりの悪質アプリ運営者が逮捕を恐れてアプリを閉鎖すれば結果的に届け出の許可を出しているまっとうな出会い系アプリが残ります。

となるとサクラに騙される人たちが減りますので、詐欺被害者が減るのと同じことです。

※その後2017年8月にAndroidアプリ「ツートーク」運営会社の社長と実質的な経営者も出会い系サイト規正法違反で逮捕されました

LINE(ライン)やカカオトークはただの通信インフラ

LINE=出会い系という印象を持つ人がいるのは確かに事実だと思うのですが、LINEが出会い系で規制しないといけない対象だとすると

  • 固定電話・携帯電話

  • 電子メール

  • Skype(スカイプ)などのIP電話

これらも18歳未満でも使えて、出会いに利用できるツールなので規制の対象ということになってしまいます。

通信の秘密と自由に関してはプライベートの問題なので余程特殊な事情があったり(犯罪等)特定の人物が対象でないと規制ができません。

LINEについてはLINEの周辺ビジネスで儲けようとする人達がいたり、ネット=スマホアプリ=自由=エロOKのように勘違いしたりしている人や純粋にインターネット周辺の知識が乏しい人達によってトラブルが起きているような印象があります。

結局真面目に運営しているアプリによる寡占化が進む

スマートフォンアプリといっても、こと出会に限定すれば提供しているサービスはサイトとそれほど変わりません。

けっきょくは

  • 広告宣伝費

  • 人件費

を投入できる企業がサイトと同じく強いです。

出会い系サイト規制法によって大手サイトの寡占化が進んだように、出会系アプリ規制法がもし成立したら大手アプリによる寡占化が進むでしょう。

ただし、未成年との出会を求める大人が減ることは無いので別の場所、例えば

  • ツイキャス等の若者に人気のアプリ

  • LINEを使った掲示板等のサービス

などに人が移るだけになるのかもしれません。

リアルな世界のJKビジネスが警察とJKビジネス経営者のいたちごっこになっているように、ネットの世界の子供達を狙う大人達も女性の移動に合わせて場所を変えるだけでしょう。

この記事を読んだ人におすすめの記事