インターネットを使った出会い系サイトの歴史や成り立ちを解説

日常会話などでも使われる「出会い系」ですが、普段は特別に何も考えずに

「あれってほとんど出会い系だよね〜」

「出会い系みたいでうさんくさい」

「出会い系みたいな広告流れてきた」

こんな感じで使われる事が多いです。

まるで怪しい・うさんくさい物事の代表のように言われています。

少なくとも良いものとして「出会い系」という言葉を用いる人はいないでしょう。

そもそも「〜系」という日本語じたいがややあいまいな物事や幅広い物事に対して使われる言葉です。

よって「出会い系」の意味がよくわからないのも当たり前です。

しかし、日本ではどんな機能を持つサイトが「出会い系サイト」なのかを法律で定義しています。

なぜ法律で定められているのか、簡単な背景・歴史と共に振り返ってみましょう。

法律で定まっているということは、それだけ利用者が多いということでもあります。

つまり需要があるので法律で整備する必要があったのです。

法律が定める「出会い系サイト」の定義・機能・仕組み

日本では

「インターネット異性紹介事業を利用して児童を誘引する行為の規制等に関する法律」

が通称「出会い系サイト規制法」として2003年から施行されています。

出会い系サイト規制法はその中で

  • 出会い系サイト(インターネット異性紹介事業)の定義

  • 出会い系サイトを利用する方に関する事項

  • 出会い系サイトを運営する方(インターネット異性紹介事業者)に関する事項

などを定めています。

警察庁:あぶない!出会い系サイト:出会い系サイト規制法の解説より引用

出会い系サイトの定義としては

異性交際希望者の求めに応じて、その者の異性交際に関する情報をインターネット上の電子掲示板に掲載するサービスを提供していること。
異性交際希望者の異性交際に関する情報を公衆が閲覧できるサービスであること。
インターネット上の電子掲示板に掲載された情報を閲覧した異性交際希望者が、その情報を掲載した異性交際希望者と電子メール等を利用して相互に連絡することができるようにするサービスであること。
有償、無償を問わず、これらのサービスを反復継続して提供していること。

※同じく警察庁サイトから引用

と定義しています。

チェックしておきたいポイントは

  • インターネットを通じて接続したサイトの中で

  • プロフィールや個人情報を確認・チェックすることができて

  • 得た情報を使って最終的に個人に連絡を取る事が可能で

  • 継続的に運営されているインターネットサービス

で、これらをすべて満たすネットサービスが「出会い系サイト」となります。

言い直すと

  • 異性と付き合いたいと思っている男女が使えて

  • プロフィールページなどを作れて、それを他の人が見えて

  • 個別でメッセージ・メールが送れて

  • 個人情報を含む連絡先の交換ができるサイト

が出会い系サイトとなります。

この定義だとSNSなども出会い系サイトということになります。

意外とたくさんのサイトが出会い系になりそうですね・・・

SNSから掲示板サイトまで、定義上は出会い系サイトになる

法律上の定義だと、SNS(ソーシャルネットワークサービス)や掲示板サイトも出会い系サイトということになってしまいます。

NSや掲示板サイトは結局のところ使う人(会員)の願望・意思次第のところがあります。

同じ仕組みのSNSでもサイト名やデザイン次第でどんな事にでも使えてしまうのです。

友達作りができるサイトで運営がメッセージの中身などを監視しない場合は大変です。

LINEやメールアドレスなど連絡先の交換ができますので、友達作りだけでは終わりません。

邪な気持ちを持つ大人がいるので、援助交際の勧誘などにも使われることでしょう。

結局は運営の体制と使い手の意思に依存するのです。

短文投稿サイトのTwitterはどうでしょう。

未成年でも使えて、個別でメッセージの交換ができます。

なので機能的には出会い系の要件を完全に満たしています。

登録方法は簡単で、誰でも使えます。

なので援助交際予防や防止と言った見方では非常に危険なSNSと言えます。

ツイッターをきっかけに色んな犯罪が起きるのも当たり前と言えます。

ツイッターとぎゃるる悪用急増 児童の犯罪被害 警察庁調査で援助交際の温床など浮き彫り

産経ニュースに投稿されて2016年4月の記事から引用

もちろん運営会社は「ウチのアプリは出会い系ではない」と否定するでしょう。

しかし運営会社の思惑とユーザーが見出す使い方は違います。

基本的にはSNSには出会い系の要素が含まれているのです。

実際に投稿やメッセージの中身を完璧にリアルタイムで監視できているSNSは人気のあるごく一部だけで、その他多数はリアルタイムの監視・削除などしていないというのが現実だと思います。

なので未成年がいないぶん出会い系の方が安全かも・・・という本末転倒な自体になっているのです。

ここまで仕組みについて簡単にふれました。

次は出会い系の歴史をさかのぼります。

ネットの出会いはi-modeが大きなきっかけ

出会い系サイトという言葉はインターネット黎明期である1990年半ばには存在しませんでした。

ネットのさきがけとも言えるニフティサーブの「パソコン通信」で既に文字情報のやりとりは可能でしたが、利用者が多くない上に主に大人が利用するものだったので犯罪被害は少なかったようです。

パソコン=オタクという印象がまだ強かった時代です。

利用者は男性が圧倒的に多かったので、異性との出会いどころではありません(笑)

Windows98が爆発的なブームとなり、ネット掲示板などが利用されるようになったのが1998年です。

1998年にはまだ匿名掲示板「2ちゃんねる」すら生まれていません。

この時点でもまだインターネットは大人のものでした。

パソコンの値段は高くて、インターネットの接続料金も高い時代です。

エロ系コンテンツなどの閲覧にはネットがかなり利用されていましたが、出会いの面ではそこまで活用されていなかったのです。

本格的な変化と出会い系の普及はi-modeの登場によってもたらされました。

援助交際とブルセラの社会問題化

i-modeは日本初の携帯インターネットです。

たしか世界でも初だったと思います。

既に携帯電話とPHSは普及していましたがi-modeができるまでネットの閲覧はできなかったのですね。

i-modeは女子中高生を含む若者の間で爆発的なブームとなります。

しかしこれが社会に出会い系の存在を認知させるきっかけになったのです。

  • 女子中高生が大人相手に自分の体を売る「援助交際」

  • 女子中高生が使用済みの下着や服を売る「ブルセラ」

などの行為が生まれ、既にバブル崩壊後にかかわらず欲望まみれのままの大人たちは少女達にお金を使いまくります。

現在では考えられないくらいの値段で女子高生や女子中学生の体が大人に買われていたようです。

その後は需要(体を売る中高生を求める男性)と供給(体を売ってお金が欲しい中高生)のバランスが悪くなり相場が値崩れしたのは周知の事実です。

供給が過多になったのですね。

今でいう「リベンジポルノ」と似た問題も起きていました。

美人局のようにして欲望まみれの中年男性を狩る行為「オヤジ狩り」というものありました。

当時インターネットはまさしく新しい概念で、インターネット内で起きている物事を取り締まるものがありませんでした。

インターネットは既存のメディアとは異なる全く新しいジャンルなのでどんな法律を適用すればいいかも不明だったのでしょう。

なのでネットの掲示板などは欲望丸出しの無法地帯という言葉がふさわしい状況だったのです。

出会い系と言っても掲示板くらいしかなかった

当時の出会い系は何も規制が無い状態でした。

出会い系といってもSNSすら無い時代です。

ネットで写真を閲覧するのにも時間がかかる時代ですので、シンプルな掲示板が出会い系として利用されました。

掲示板に年齢・見た目・条件と共に自分の連絡先を書き込み、連絡が来るのを待つスタイルです。

となると女子高生や女子中学生でも利用ができ、しかもそんな中高生だけを狙う成人男性もいました。

結果的にブルセラや援助交際など、新しい俗語が生まれてしまうほど男女が出会えるインターネットサイトは流行しました。

ニュース等でも犯罪・事件と共にそれらが生まれた場所であるサイトが取り上げられるようになりました。

こんな社会状況の中「出会い系サイト」は社会的に認知され、どんどん普及していったのです。

当時の超人気サイト「スタービーチ」

未成年絡みの犯罪の温床となった出会い系サイトの中でも知名度が最も高かったのがスタービーチという無料掲示板サイトでした。

今の基準からみたらとても貧相なサイトなのですが、なぜか当時は大人気でした。

現在は当然閉鎖されています。

しかし現在も出会い系サイトやアプリの名前にスタービーチを連想させるような名前が時折使われることから、その影響力の大きさが伺えます。

2002年頃から現在も人気があるサイトが生まれる

ピーシーマックス・ハッピーメール・ワクワクメールなど、「老舗」や「大手」と現在呼ばれる出会い系があります。

これらの有名サイトが誕生したのは2002年頃です。

出会い系サイト規制法が施行される前年ですね。

これらのサイトは当時から「サクラがいない」ことを売りにしている珍しい出会い系サイトです(当たり前といえば当たり前なのですが・・・)。

もちろん今も高い人気というかトップクラスの人気を誇っています。

2002年に既にあったサイトが今も人気があるというのは凄いことですね。

運営の努力も凄まじいものがあるのでしょう。

現在は出会えるのはもちろんとして、素晴らしく充実したSNSといっても過言では無いほど綺麗なSNSとなっています。

何も知らずに登録した人には出会い系だとわからないくらいです。

ただ、世の中の出会い系はちゃんとしたサイトだけではありません。

悪質出会い系サイトによる架空請求やサクラによる詐欺の被害者が増加したのも2000年代前半です。

サクラがいるのが当たり前?の出会い系サイト

「出会い系サイトが儲かる」

こんな噂を聞けばお金儲けに興味がある大人たちが参入してきます。

そして、真面目に出会い系サイトを運営することが思いの外大変だということに気づきます。

  • 膨大なトラフィックを処理するサーバー代金

  • クレーム処理や顧客対応をするサポートスタッフの人件費

  • 会員を増やすための広告宣伝費

  • 事件が起きた時の警察やマスコミ取材への対応

これだけでもかなりのお金がかかります。

けれど、出会い系を使う男性が多いことは理解したのでしょう。

存在しない女性会員、つまり「サクラ」を使えば大儲けできることを思いつきます。

そして悪い大人たちが大儲けしていきます。

サクラ役として採用されたアルバイト達は就職氷河期で就職できなかった人達がたくさんいました。

日本を襲ったバブル崩壊後の継続的な不景気とデフレで人件費が安くなっていた時期でもあります。

大量のサクラを安いコストで雇えば広告宣伝をして本物の女性会員を増やすよりはるかに効率的にヴァーチャルな女性会員を増やせたのです。

サクラなら一人のアルバイトが役割を変えて何人もの女性会員になりすますことができます。

これで女性会員がゼロの出会い系でもまるで大人気の出会い系のように見せることに成功します。

世の中のほとんどの出会い系サイトは全く出会えずサクラばかりのサイトになってしまいました。

初期出会い系サイトの詐欺の内容

出会い系黎明期にあった運営会社による詐欺の内容をまとめます。

  • サクラの女性会員相手に課金させる

  • サクラの男性会員相手に課金させる

  • ワンクリック詐欺

  • 架空請求

  • 無料サイトから有料サイトへの誘導

  • 個人情報の転売

現在の出会い系でもよく使われるものばかりです。

どんな詐欺があるかを把握していない当時の人達は面白いように騙されました。

特に無料サイトから有料サイトへ誘導するパターンで騙される人が多かったようです。

どれも冷静に考えればおかしいとわかるのですが・・・

援助交際・ブルセラが社会問題になった後は架空請求やワンクリック詐欺がニュースで取り上げられるようになりました。

こうなると政府も動かざるをえません。

2009年に出会い系は18歳以上の年齢確認が必須に

政府は犯罪予防として

  • 出会い系サイトを届け出制にして認可を必要とする

  • 未成年の利用を防ぐために利用者の18歳以上の年齢確認の実施を義務化する

などを2009年に改正された出会い系サイト規制法に盛り込みました。

これによって悪質な出会い系サイトはかなり減ったと言われています。

警察もサイバー空間は危険だという認識を持っており、ネット絡みで逮捕される個人・法人は増えています。

それでも悪質出会い系サイトは今も存在しています。

スパムメールが今も無くならないように、もしかしたらこれからも出会い系での詐欺行為は無くならないかもしれません。

現に2010年頃からは出会い系サイトならぬ出会い系アプリが増えており、アプリでも真面目に運営されている方が少なく、詐欺アプリの方が圧倒的に多いという事態になっています。

みなさんサクラやネットでの詐欺には十分に警戒してください。

スマホの普及で時代はサイトから出会い系アプリへ

2008年6月に「iPhone 3G」が登場し、時代はガラケーからスマートフォンになりました。

それによって時代は出会い系サイトから出会い系アプリに移行しつつあります。

この流れによって出会い系自体の健全化が進むので、使う側にとっては有難い変化です。

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